経済成長の遠因
世界の国々の経済成長の要因には様々な要素が混在しているが、そのカギが今変化している。変化する要因の中でも、現代経済社会の成長を阻む最大の要因となりつつあるのは、男性優位の近代社会の社会経済構造と、旧弊にとらわれた意識とそれに基づく社会制度と仕組みや、子育てを女性にだけに押し付ける伝統的慣習と社会的意識構造である。今、社会経済を活性化する取り組みの中で一番注目されているのは「社会的ジェンダーギャップの解消」の取り組みである。言い換えれば、単に女性の社会進出を支援する目的のみにとどまらず、高度に発展した現代の経済社会の構造を質的に変化させ、持続可能な社会経済発展を促す仕組みとして必要不可欠な、女性の持つ様々な能力とその力の発揮、それを促進する社会的取り組みである。よく考え議論された社会経済の仕組みと制度設計と同時に、男性中心の社会を歴史的な自明の事実として受け止め、疑わない男性、特に大企業・政府組織をはじめとする様々な社会全体を動かすような中枢組織の要職を占める、中高年男性の意識変化・改革が不可欠となるだろう。

