心の豊かさを求めて
世界の経済開発競争は止むことなく、GDP成長率と一人当たりGDPの伸びは一国の経済政策の善し悪しを判断する主要な指標となり、戦後から一貫して、政治が追求すべき最優先の課題であり、「GDPの増大がすべての社会問題を解決する基本要素」かのごとく見做されている。GDPは一国の経済活動量の物差し、物の豊かさの物差しとしては依然有効だろうが、個人の生活実感とはかなり掛け離れている。社会生活全般に対する満足度と個人心の豊かさは一様に測れない。主に欧米との極端な政策金利差から生じた為替変動により、円安が進行する経済金融環境の中では、特に比較が困難である。長期的な視野で、社会全体と個人の心の豊かさを反映した、実感の伴う、GDPに代わる「幸福の物差し」が探し求められている。

