2023年、不動産をめぐる動き
アメリカ・中国の不動産
アメリカにおいては、過去の金利の変動が激しく、固定金利住宅ローンの選択が全体の7割を占めるという。住宅ローン金利の急激な上昇は、中古住宅の売却を見送らせ、新たに高金利の住宅ローンを組むことを躊躇させる要因として働いており、中古住宅市場の在庫が減少し、価格自体は維持されている。FRBは都市部の商業用不動産の市場動向について懸念を表明している。都市部中心街のオフィス需要が引き続き弱いという。
中国では、恒大不動産グループおよび碧桂園の市場に対する不安がクローズアップされ、不動産バブルが弾け、不動産投資は逆回転を始めている。中国経済のGDPの3割を占めるともいわれる不動産投資に大きく依存してきた中国経済は、不動産価格の極端な低下は不動産のマイナス資産効果となって現れ、今後長く中国経済全体の足を引っ張る可能性が高い。さらに世界的な分断政策により、海外マネーが中国から逃避する傾向もその懸念を強めている。