ジョハリの窓
ジョハリの窓
“ジョハリの窓”はサンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト氏とハリ・インガム氏によって円滑なコミュニケーションの促進のための分析モデルとして考案されたが、一般的な適用対象としては、企業のコミュニケーションの促進や能力開発、キャリアコンサルティングのツールとしての活用が広く浸透してきたという経緯がある。
考案された四つの窓(四つの領域)すなわち「解放の窓」「秘密の窓」「盲点の窓」「未知の窓」は実は様々な分野に転用・応用が可能である。
四つの窓は対人関係において言い換えれば、「開かれた窓(自分も、相手もよく知っている領域)」「隠された窓(自分は知っているが、相手には知られていない領域)」「気づいていない窓(相手はよく知っているが、自分にはわからない領域)」「未知の窓(自分も相手も知らない領域)」の4つの領域を有しており、対人関係を向上させていくためには、「開かれた窓(自分も、相手もよく知っている領域)」を拡大していくことが重要とされる。
グループでの活用が基本であるが、一人でも可能だ。自ら気づくか、第三者から指摘され気づくのかの違いはあるが、新たな発見があり、一番よく知っているつもりの自分について、第三者からは違う見方をされていることに初めて気づき、見知らぬ真の自分の姿を考えさせられるきかっけとなるだろう。
自分を客体視
まず第一に、自己認識があり、第二に、外から見えている自分の姿を認識している自分があり、第三に、実は外からは見えているが自分とは別の、認識していない自分の別の姿に気づき、第四に、自分も外部も認識していない未知の可能性を持った自分があるという発想は、自分の持つ先入観・バイアスが幾重にも霧か雲のように現実を覆い隠していることに気づき、虚実の混じった雑多な情報に押し流され独自の思考能力を奪われた自分の姿と、自分を取り巻く社会・世界に対して目の覚めるような冷静な客観的な視点を提供し、様々な可能性に目を向けさせ、想像力を掻き立て、新たな分野にチャレンジするきっかけともなるだろう。
様々な分野に応用が可能
個人のみならず、様々な集団、組織の姿も同じであろう。外部からの客観的で専門的な意見は重要だ。それは個人の意識にも当てはまる。何十万年も繰り返された人類のDNAの承継と変遷・変異が今もなお、その人の無意識の本能的な行動の大部分を規定している。縛られているとも言えるだろう。生まれ育った家庭、地域、国、民族、言葉、文化、社会が形成した社会規範や家族に対する概念にも縛られている。選択するしないに拘わらず、所属し継承した集団が持つ共通の意識と辿ったの歴史の影響も多大だ。具体的には生まれ育った家庭環境、地域社会から受けた教育と社会環境の時代的な変遷から多様な影響を受けていることは言うまでもない。自らの独自な個別固有の意識と思っている部分が占める比重はかなり低く、前述のような様々な影響下で育まれた意識の大部分が自分を形作っている。ここに見える部分と見えない部分があり、気付かない意識、見えない姿は外部の目、外部の視点に頼るしかない。先入観とバイアスによる制約を受けた自分の真の姿を認識する事が如何に困難かは、宇宙の全体像を把握するのが困難なことと似ているだろう。
一人で目覚めるには
② 現状から変化を引き起こす行動を起こすのは自分のみであるという事実
③ 影響から逃れ、距離を取り、囲いをつくり、変化と解決が必要な個人的問題を明確にする
④ SNS,インターネットなどからの虚実の入り混じった雑多な情報源から一定の距離を置く
⑤ 先人の残した学術研究や科学技術の発展を書いた古典、歴史書、経験談、偉人伝などを問題解決の糸口にすること
⑥ 独立した自我の確立を図り、過去の自分の変化の体験は、きっかけは具体的に何によって惹き起こされたかを考える
⑨ 粘り強く忍耐力を持って追求する
⑩ 時には柔軟に見方を変える
⑪ 個人の基本的価値観を明確にする
⑫ もし個人的な制約がないと考えたなら、自分はどのような結論を導き出すだろうかと仮定・推論してみる
ジョハリの窓は見えない領域を意識させる。広大な余白部分が広がっていることに気づかせてくれる。