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「どうしました?」
小規模事業経営者の経営相談かかりつけ医を目指す-TFK不動産コンサルティング-

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「どうしました?」
小規模事業経営者の経営相談かかりつけ医を目指す
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時代の変化

更新日:2020年7月25日

企業を取り巻く時代環境は10~15年で大きく変化する。
10年、15年前の世界から現在の世界を想像することは難しい。企業の持つ社会的使命・価値観も、利益追求・ステークホルダー中心から、大きく舵を切り、SDG‘Sの2030年までに目指す17のゴールに象徴されるような環境・社会・経済・人権まで広範な課題に対する、企業としての取り組み・社会貢献に、その存在価値が認められるようになり、社会的に責任ある行動が求められている。そこから乖離して、企業は独立して生存できない時代になりつつある。現下のコロナ禍で時代が大きく変貌を遂げるなか、企業はこの困難な試練の時代にいかに対応し、変化・適応できるかである。

世界的不況

世界同時にリセッションの嵐が吹き荒れている。世界銀行の今年6月時点での予測によれば、今年の世界全体の経済成長率はマイナス5.2%前後と予想されている。世界経済は新型コロナウィルスによるパンデミックの脅威の前に立ちすくんでいるが、世界は孤立と分断を選ぶか、連帯と協調の道を選ぶのかが正に問われている。

世界を揺るがす米中の対立は、米国の自国第一主義と、中国の遠大な戦略である一帯一路政策の対立とも言えるだろうが、高関税の付加により、自由貿易を縮小し、5G通信先端技術を使用した他国製品を締め出すなど、追い上げる中国と第一人者アメリカとの、国と国の関係が大きく変化し、軋轢を生み、世界経済を混迷に陥れている。このような経済覇権争いを演じる米中のマイナスの影響は、世界経済を味方陣営とそうでない勢力に二分し、予測しがたい不安定な政治経済状況となっている。

借金漬けの世界

世界の債務が急増している。南米ベネズエラのデフォルトや、アメリカの低格付け社債のデフォルトの増加、失業者数の高止まり、米国の住宅ローンのデフォルトが増加傾向にあり、今後、日本を含めて世界各国の与信費用の増大は避けられない。世界全体の債務は2020年1月-3月期で過去最大となる257兆9500億ドル(2京7700兆円)となり、2019年10-12月期より1兆1000億ドル増加した。世界のGDP約78兆ドルに対し、11ポイント上昇の331%となった。その内新興国向けは72兆6000億ドル。日本の債務は19年のGDP554兆円に対し189%の見通しから225%に急伸。プライマリーバランスの赤字も15兆円から64兆円に拡大するとみられる。これは、今後予想される税収減を反映していないという。

出典:7/17(金) 中日新聞朝刊

不動産価格の下降局面

国と国の関係も変化するが、個人の自国の将来に対する見方も変化する。経済学者が予測する日本の未来は予想以上に厳しく、かつて世界第2位の経済大国と言われた日本が、20年以上に及ぶ長期の経済停滞を経験し、自由主義先進国の成長と比べ、相対的な生産性の低下・実質賃金の低下に伴い、全世帯の平均所得の2分の1以下の所得世帯が占める割合は年々増加傾向にある。

少子高齢化、超高齢化社会の到来により、財政不均衡はさらに拡大するなか、このコロナ禍で国・企業の債務はさらに膨れ上がり、不要不急の設備投資・不動産投資は当分は見送られることになる。個人の住宅購入態度は、当面見送り・様子見となるだろう。テレワークの本格普及に伴い、都市部、特に余りにも行き過ぎた東京一極集中の弊害を是正する機運が高まり、都市から地方へと移住を考える若者が増加している。地方自治体による子育て世帯の移住を優遇する様々な努力もあり、比較的地価の低い地方分散への流れは、徐々にではあるが着実に動き出す年となるのではないかと思われる。

長く続いた土地路線価の上昇、住宅ローンの低金利政策による戸建て住宅・マンション価格の高騰や、REIT等の投資資金による都市部の商業テナント・オフィスビルの不動産価格上昇・賃料の上昇も、2020年を境に大きくピークアウトし、今後、容易には元の水準には戻らないのではないかと思われる。

観光立国

日本には長年の努力により築き上げ、守ってきた、世界に誇る歴史・文化・伝統がある。又、日本各地の変化に富んだ四季折々の多彩な自然、風土、祭り、伝統芸能、新鮮で豊富な食材とおいしい料理、ありのままの地方の生活様式などは、世界の人々を魅了してやまない。

治安がよく、安全に配慮が行き届いた快適な交通公共機関、日本全国どこに行っても一定レベル以上の清潔さとホスピタリティー・おもてなしを手頃な価格で受けられる。このような条件をすべて満たした国は、世界に多くはない。

いずれ、現在のコロナ禍も世界の人々の努力により終息し、インバウンドも回復し(2年後か)、観光資源に恵まれた日本は、今や経済成長の中心であるアジア地域の、増加する富裕な中間所得層を引きつけ、さらに世界から観光客を呼び込み、観光立国としての地位はさらに高まるだろう。

観光・旅行・宿泊業は、今は見る影も無く縮んでいるが、必ずや近い将来に力強く復活し、世界の多くの人々を呼び込み、楽しませ、大いなる投資機会も提供することになるだろう。

歴史と哲学が役に立つ

時代の変化を冷静に見つめて考察し、過去の歴史から得た教訓を学び続ける必要がある。世界的に有名な投資家であるジム・ロジャーズは、他人の借り物の考えで、自分の人生は生きられない。二つの大学に学び、多くの職業を経験し、世界各地の都市と地方を巡り、多くの人に会い、実際に見聞きし体験し、特に歴史と哲学を学んだことが、大いに自分の人生の役に立っている、と言う。私たちを取り巻く環境の変化・時代の変化は今までにない猛烈な速度で、進行している。一旦立ち止まり、今こそ自分の足で立ち、自分の頭で考える時間が一人一人に必要である。

代表紹介

大村秋男
静岡大学卒。地域金融機関で長年営業畑、本部業務等を経験し、RCCにて債権管理回収・事業再生業務、不動産会社にて不動産業務全般を経験。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認 不動産コンサルティングマスター
今まで様々な不動産及び経営相談業務等に携わり、その経験を生かし不動産コンサルタントとして独立
2018年9月会社設立、代表に就任し現在に至る

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